剱岳(北方稜線)・2022_0817


8/17
室堂12:07・・・・12:30雷鳥荘・・・・14:29剣山荘(泊)

8/18(風雨・停滞)

8/19
剣山荘02:55・・・・03:35一服剱・・・・04:54前剱・・・・06:07平蔵の頭・・・・06:58剱岳・・・・08:24長次郎のコル・・・・10:31池ノ谷乗越・・・・10:44チンネ・・・・11:14池ノ谷ガリー・・・・11:39三ノ窓・・・・12:27小窓ノ王・・・・15:35小窓(乗越)・・・・16:25小窓氷河・・・・16:33旧鉱山道取付き・・・・17:30池の平小屋(テント泊)

8/20
池の平小屋06:16・・・・07:00仙人峠・・・・07:32仙人池ヒュッテ・・・・09:38仙人温泉小屋・・・・10:38雲切新道最高点・・・・13:09仙人谷ダム・・・・14:05権現峠・・・・14:39阿曽原温泉小屋(泊)

8/21
阿曽原温泉小屋06:52・・・・08:59折尾ノ大滝・・・・09:10オリオ谷・・・・10:12大太鼓・・・・11:08志合谷・・・・11:49蜆谷・・・・12:45水平歩道始・終点・・・・13:35欅平駅

もうすぐ日の出


二枚岩

池ノ谷尾根の頭から八ツ峰を見下ろす

池ノ谷乗越への下り

クライムダウン

右のリッジを下り、途中から左のガリーに入る

池ノ谷乗越に降り立ったところ、三ノ窓雪渓

池ノ谷ガリー

池ノ谷ガリーを背に
踏み替え点へ、小窓の王を回り込む

草木があらわれ、風景が一変した

霧にまかれるとルートの見極めに神経を使うだろう

小窓の雪渓
このあと霧で視界がきかなくなってきた。目印の滝は見えない。
地形図とGPSで旧鉱山道の入口を確認できた

テント場について。まず喉を潤す

池ノ平小屋はテント泊の人も風呂をかしてくれる
風呂の跳ね上げ窓を開けると八ツ峰がこのパンフレットどおり見えた

小屋泊りで予約も必要だがもう一つの風呂がある。
五右衛門風呂だ
ここからは針木岳、スバリ岳が正面右の奥に見える
地図で見当をつけてみたが、手前は黒部別山でその左奥は南沢岳だろうか

 剱岳の北方稜線。去年は風雨のため諦めて帰って来ました。今年は風雨、
風雨、晴れ、豪雨、曇りでしたが、一日だけの好天を生かして歩き通すこ
とが出来ました。岩稜でも雪渓でもメンバーの技量が安定していて、余裕
さえ感じられました。
別山尾根~剱岳~池ノ平の15時間はとっても楽しかったですね。テント
泊の荷物でも、ゆったりと周りを眺めながら岩稜歩きを味わうことができ
ました。
 剱からは下りとなります。池ノ平乗越まではルートファインディング
が重要です。長次郎のコルからは長次郎の頭の基部、南東側を巻いて
200mほど進むと尾根に出ます。そこからははっきりした固く良いホールド
を選んで進み、池ノ谷の頭からリッジを下り、少しトラバースしてルンゼ
に入り込んで行きます。慎重に降りきったところ、そこが池ノ谷乗越です。
ここまで来ると一安心、ほっとします。乗越まで格別むずかしいところは
ないけれど、気は抜けません。いい加減に岩をつかんだり足をおくってバ
ランスを崩したりすると転落して大きな怪我につながります。(上りの場合、
池ノ谷乗越から剱岳へは下りよりもずっと容易でしょう)
 いろいろ情報は錯綜しているけれど池ノ谷ガリーは安定していて危険は
感じられません。下りの場合はチンネ基部の壁に右手を当てながら岩屑と
一緒にザラザラどんどん下って行くのが楽です。岩壁上部からの落石は、
ガリーのチンネ寄りのほうが直撃を受けにくいでしょう。(上りコースに使
う場合は、ガリーの中央寄りにジグザグにつけられた踏み跡があるので、
それを利用することになるでしょう。少し勝手が違います。岩壁上部から
の落石に要注意です。先行者や後続者の落とす石は、よほど大きなもので
ないかぎりザラ場で止まります。気にするほどのこともありません)
 *降りきると三ノ窓です。チンネがよく見える最高のテント場です。
 *小窓の王への急な斜上バンドは見かけと違って容易です。
 *踏替点の先、小窓の王から130メートルほど下ると小窓へのトラバース
が始まります。これまでの岩ばかりの風景から一変してハイマツや灌木の
植生が始まります。まもなく急傾斜の雪渓が現れます。15メートル幅ほど
でしょうか。この雪渓は要注意です。はずみでバランスを崩したら、滑落
停止に成功しない限り命はありません。その下は見えないけれど滝です。
 ここはザイルを使うことにしました。トップが渡りきったところに良い
支点があるのでそこにシュリンゲを回しかけ、ビレイ点を作りました。こ
れでどんなスリップも止められます。アイゼン、ピッケルを使って皆はス
タスタと通過してきました。次の雪渓は気づかないまま巻き道を通ってい
たようです。下り続けていたら小窓氷河に出ていました。
 *小窓氷河は傾斜の緩い容易な雪渓が続いています。鉱山道入口は地形
図をよく見ていきます。雪渓北側の岩壁記号と岩壁記号の間にあります。
そこと反対側の少し下に滝が見えます。霧が濃かったらわからないでしょ
うから、拡大した地形図も併用しましょう。(5000分の1に拡大した地形図
を用意していきました)ここから登山道が始まりますとでもいうように、丸
いペンキ印が大きく書かれています。
 *池ノ平はテント泊でしたが風呂に入ることができた。風呂の窓覆いを
上げると剱東面の岩峰郡が横長に額装された絶景を見せてくれる。そこへ
ハイボールが特別に届けられ、ホタルイカの炙ったやつも届けられて、天
上の楽園でした。
 去年は五右衛門風呂に入りました(五右衛門風呂は薪で沸かすためか予約
が必要です)。こちらはスバリ、針ノ木が真正面に均整の取れた姿を見せて
いて、上空には強風を呼ぶようにレンズ雲が現れていました。これも印象
深い経験でした。秋もまた良いですよ。池ノ平へは、それだけを目的にし
て行っても良いくらいです。
 *天候にあわせて行動を変えようという考えで、稜線上にテントを張る
ということも視野にありました。テント泊の利点は計画変更の自由度が高
いことだと改めて思います。
 *いまの4人用テントはとても広い。とても軽い(たぶん濡れても軽い)。
5人で使ったが、余裕がありました。